「とうし」の「と」

投資初心者の私が、投資未経験者のために、初心者ならではの目線で投資を解説していきます。

白熱!!携帯料金値下げ合戦

携帯料金の値下げに対して携帯大手3社の対応が発表されました。
auとSoft Bankが最低価格を4,000円程度に据え置いたのに対し、docomoは格安スマホ楽天モバイルと同等の2,980円のプランを発表しました。楽天モバイルもこれに負けるものかとデータ通信量に容量制限を設定したプランの要望を調査しているとのことで1,000円台のプランが発表されるのではないかと推測されています。
対応が分かれた大手三社の対応ですが、この記事では対応の解説よりも、携帯業界について私の所感を述べたいと思います。

 

【第一に電波は国民の財産である】
携帯やテレビに利用されている「電波」ですが、これは我々国民の財産であるということです。総務省が管轄しています。通信事業者は国に使用料を納めて電波を借りて事業を営んでいるのです。事業者が民間企業であるためにねじれのようになってしまいますが、根本的な考え方は国民の利便性、負担を考えるべきであると私は考えます。一方で民間企業はしっかりと利益を確保し株主に還元するのが使命ですのでバランスの考え方が難しく思います。

 

【競争の原理は原則であるべき】
誰もが知っている通り、日本は民主主義国家です。その中において民間企業であれば競争は避けられないものであるし、そうあるべきと思います。消費者に必要とされたものが残り、不要なものは淘汰されていく。競争があれば製品やサービスのぜい肉はそぎ落とされ、無駄がなくなっていきます。その競争中で勝ち残る方法の一つが「付加価値」だと思っています。製品やサービスのそれが、「付加価値」であるか「ぜい肉」であるかは消費者が決めることであって他の何物でもありません。「付加価値」というのは競争があるからこそ洗練されていくものだとおもいます。

 

【今までの通信業界はどうであったか】
これまで、携帯通信会社は三大キャリアのみしかなかった。その他の格安SIMと呼ばれるものは仮想移動体通信事業者MVNO)と呼ばれ、通信設備を三大キャリアから借りることで低価格のサービスを提供してきました。しかし、大々的な通信設備を持っているキャリアと呼ばれる企業は3社のみです。なぜキャリアと呼ばれる企業が増えないのでしょうか。キャリアが増えればキャリア間での競争原理が働き、消費者が不要と感じるものは淘汰されたり、値段も下がっていくはずです。しかし、使用する我々は携帯代は高いと思いながらも、選択ができず、なすすべなく高い携帯代を長年払い続けてきました。

 

【なぜキャリアが増えないのか】
キャリアが増えない理由は参入障壁が高いと言われています。つまり、業界に新規に参入するハードルが高いということです。何がハードルなのかというと主に通信設備費です。通信網人口カバー率を上げるために、年間数千億円という設備投資を続けていかなければならず、またそれらの修繕費も莫大な資金が必要です。しかし3大キャリアにはこれらを積み上げてきた実績があり、良い通話品質、高速通信を可能にしています。新規参入規模が数百億円の設備投資をしたところで3大キャリアが持つ設備網に到底太刀打ちできるものではありません。そのため、多くの企業がキャリアとしての参入ではなく、キャリアの通信網を借りて通信事業を運営する仮想移動体通信事業者としての参入にとどまってきたわけです。

 

楽天モバイルの参入】
しかし、楽天はそれでもキャリアとしての参入にチャレンジしています。厳密には自社の基地局を持っているエリアは楽天モバイル対応エリアとして、カバーしきれていない他のエリアはキャリアの設備を借りて運営しています。現在の人口カバー率は63.1%で、2021年3月までに70%、2026年3月までで96%を目指すと発表しており急激にエリアを拡大し続けています。通信事業単体では到底及ばない競争ですが、楽天にはこれまで拡大し続けてきた「楽天経済圏」との連携を武器にシェアを伸ばしています。実際、楽天のポイントアッププログラムを活用して、買い物やふるさと納税楽天で行い、日常の支払いを楽天カードで行い得たポイントを楽天モバイルの支払いに利用し、携帯代をポイントのみで支払えている人も多数存在しています。
楽天モバイルのわかりやすい料金プランも消費者目線の「付加価値」ではないでしょうか。
楽天モバイル対応エリアでは通話かけ放題、データ通信無制限
・途中解約料、事務手数料無料
これまでは3大キャリアの携帯の契約では2年の継続利用での割引がある傍ら、解約違約金があったり、割引を適応するための様々なオプションを店頭で契約していたことと思います。非常に複雑で自由度のないプランとなっていたのは誰もが認めるところではないでしょうか。
次項で述べますが、サービス内容、料金に競争原理が働き、消費者が求める形に少しづつ進んでいると実感できます。

 

docomoの新料金プランに見楽天の参入インパクト】
先述の通り、ドコモはahamo(アハモ)という新料金プランを発表しました。内容は
・手続きはオンラインのみ
・料金は2,980円一律
・電話かけ放題、データ通信無制限
・事務手数料、途中解約料無料
と完全に楽天を意識した料金とプラン内容です。楽天モバイルがアピールしてきた「付加価値」をdocomoも本当の国民目線の付加価値と認め、追随しないとやがては顧客を失うと判断したのではないでしょうか。また、政府が進める携帯料金値下げの圧力も相当あったと思います。しかもその他の2社は子会社である仮想移動体通信事業者の料金プランを見直したのに対して、docomoは自社ブランドでの展開をしました。docomoの本気度が伝わる内容であると感じます。

 

楽天docomoどちらを選ぶか】
docomoが同水準のサービスを発表したところで、どちらを選択するのが良いのでしょうか。
楽天モバイルは先着300万人を対象に携帯料金1年間無料キャンペーンを実施しているので、まずは楽天モバイルで様子を見て、来年3月から開始されるahamoの評価を伺ってから最終的に決めるのが良いと思います。
楽天モバイル楽天経済圏の恩恵が十分に得られるので、そちらを試す期間としても良いと思います。

 

【今後の楽天への期待】
携帯料金を皮切りに、楽天には様々な商品、サービスの国民目線の「付加価値」を付けることで良い競争を生み出していくことを期待します。携帯料金の値下げに風穴を開けて、競争をリードしているのは毎違いなく楽天モバイルです。楽天グループはまだまだ新興企業といった印象をお持ちの方が多いと思いますが、既存の価値観、慣習を打破して消費者の求めるものを「付加価値」として世に送り出してほしいと思います。
このように必要とされる新たな価値の創造ができる企業がこれからどんどん台頭してほしいと感じたニュースでした。

 

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