「らいおんのおやつ」を読んでみた!!
みなさんこんにちは。
一冊本を読み終わったので、大人の読書感想文を書いてみようと思います。
本選びの参考になれば幸甚です。
・結論
- 生きることの幸せを噛みしめながら読みました
- 今を生き、明日を考える楽しみを再確認できました
・本の紹介
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- らいおんのおやつ
- 小川 糸 著
本屋大賞2020ノミネート作品(第2位)
です。
おめでとうございます!!
初めに、素敵な物語を執筆してくださった小川糸さんに感謝申し上げます。
そもそもタイトルの「らいおんのおやつ」とは何なのか。
本を読み進めていくうちにすぐに分かります。
難しい表現がなく、描写や状況がストレートに入ってくるところもサクサク読める要因の1つです。
本当に風景の描写が鮮やかで、描かれているシーンが頭の中いっぱいに広がります。
・一貫して思うこと
「らいおんのおやつ」を読んで、一貫して思うことは、生きていることの幸せです。
毎日を当たり前のように過ごしていれば、生きているのが幸せなので、特別に思うことはないのかもしれません。
特別だと思う必要もないのかもしれません。
「迫り来る死」を意識し、自分の人生を見直すと、たくさんの星の数ほどの幸せがあり、全てが宝物なのだと感じました。
当たり前と思っていたら感じることはできないけど、生きる幸せを認識すれば、たくさんの身近の幸せを噛み締められるということです。
幸せって、難しいですよね。
人によって幸せの尺度は違い、基準も違うので、幸せの定義なんて人によってバラバラです。
それでも、自分の大切なこと、自分の幸せを、幸せとしてしっかりと心に留めておくということ、そして、それができること自体が幸せなのではないかと私は感じました。
なので、日常に目を凝らし、どんなときでも自分の幸せを探していこうと感じました。
・人は死ぬときまで成長できる
本の中では、至るところで人間の弱さも描かれています。
しかし、大切なことは弱さを隠すことではなく、それはそれで認めて、成長していくということです。
そして、人間は死ぬ直前まで、弱さを乗り越え、強くなるチャンスが与えられています。
毎日毎日自分の弱さを探して、改めるのではなく、何より正直に、誠実に生きる、それこそが強い生き方だと感じました。
正直に、誠実にって言うと重たいですが、これも日常の小さなシーンでも実践でき、幸せに繋がります。
普段は言わない場面で、
「ありがとう」
を言ってみる。
それだけでも自分も幸せになり、相手も、周りの人も幸せにすることができます。
誠実に生きるというのは、誰でもできることだと思います。
そして、人は死ぬ直前まで、自分の魅力を磨くことができます。
意識して人生を過ごすのと、何も考えずに生きるのでは大きな違いがあるなと・・・。
何事も襟を正してと肩がこりそうなことではなくて、自分ができることを精一杯やろうということです。
・人は人を癒やすことができる
本の中では、主人公が他の人を癒やし、主人公は他の人から癒やされ、というシーンが度々出てきます。
これも、日常では非常によくあること、というか、「人を癒やす」、「人に癒やしてもらう」というのがチェーン状につながっているのが正に「人生」ではないかと思います。
意識はしていませんが、少し自分の身、時間を削って、他の人のために尽くしてみると言うのはとても素晴らしいことで、それを素直に受け取れるというのも、また素晴らしいことです。
・QODの考え方
QODという言葉を知っていますか?
Quality Of Death(死の質)
のことで、QOLの対義語として使われたりもします。
しかし、この本を読んで感じたのは、QOLとQODは対比するものではなく、別のステージにあるものでもなく、QOLそのものがQODなのだということです。
QODの向上には自ら死を受け入れて・・・と考え、死の恐怖を受け入れる必要があるように感じますが、そうではなく、死ぬのが怖いのであれば、怖くて良い。
怖いものは怖いと素直に感じ、それをそのまま受け入れるということ、つまり、自分が感じたまま受け止めるということが本質ではないかと感じました。
QOL、QODに限らず日常の何にでも当てはめられる考え方で、その考えそのものが「人生の質」を向上させるのだと思います。
・小川さんの実体験に基づいた作品
本書は著者の小川さんのお母様が癌を患った際に言った一言
「死ぬのが怖い」
という言葉に対して、小川さんが「死ぬのが怖くなくなる」ために書いた本だそうです。
お母様に読んでもらうことは叶わなかったそうですが、素敵な作品を書き上げてくださったことに改めて感謝を申し上げたいと思います。
前を向ける、明日誰と何をしようか考えるのが楽しくもなる一冊です。
・まとめ
いかがでしたか?
死を扱う作品は重いイメージでとっつきにくいと思います。
しかし、本書では、死を悪と捉えず、人生の中のイベントの1つとして捉えています。
「死」をネガティブなイメージではなく、怖いけども前向きに捉えようとする主人公を通して、今を当たり前に生き、明日を考える幸せを噛み締めながら本を読みました。
おすすめできる一冊なので、ぜひ本屋さんで手にとってみてください。
それでは失礼いたします。
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