「とうし」の「と」

投資初心者の私が、投資未経験者のために、初心者ならではの目線で投資を解説していきます。

新興国株式ファンドをどのように扱う?

みなさんこんにちは。

今回は、長期での資産運用をするうえで、新興国株式インデックスファンドへの投資をオススメしない理由と、新興国株式の取り扱い方を紹介したいと思います。

もちろん、新興国株式インデックスファンドにも良いファンドはありますし、新興国インデックスファンドへの投資を否定するつもりは全くありません。

ただ、私はなぜ新興国ファンドへの投資をしないかを、私見を踏まえて解説したいと思います。

皆様の投資先選択の一助になれば幸甚です。

 

 

・結論

新興国株式インデックスファンドへの投資をオススメしない理由は以下。

  • 比較的高い手数料
  • 安定しないトータルリターンと大きい値振れ
  • 新興国だけの成長は考えにくい

新興国の可能性を取り込みたければ、全世界株式インデックスでリスクを抑えつつ取り込むのが良い!!

1つづつ解説していきます。

 

・比較的高い手数料

新興国株式インデックスファンドの手数料は、全米株式、先進国株式、全世界株式に比べて高くなる傾向にあります。

これは、打ち沈みが激しい新興国ならではで、銘柄の入れ替えや構成比率の変化が激しいため、その分費用がかさむのではないかと考えています。

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引用元:SBI証券 投資信託銘柄検索・取り扱い銘柄一覧よりhttps://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/powersearch/fundpsearch.do?

信託報酬だけでも最大2倍程度の差が出てきてしまいます。

実質コストでは全米株式や先進国、全世界株式インデックスファンドが0.2%を下回るところ、新興国株式インデックスファンドでは0.4%近くかかってしまいます。

長期での資産運用を考えた場合、高いコストはトータルリターンに大きく響くので、新興国株式インデックスファンドでは高い手数料はどうしてもネックになってしまうといったところです。

 

・安定しないトータルリターンと大きい値振れ

参考までにeMAXISSlim新興国株式インデックスファンドがベンチマークにしているMSCI Emerging Markets Indexのトータルリターンを見てみましょう。

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引用元:MSCI Emerging Markets Index(USD)よりhttps://www.msci.com/documents/10199/c0db0a48-01f2-4ba9-ad01-226fd5678111

値振れにも関係する部分はあるのですが、直近1年で10.2%、3年で4.92%、5年で10.72%、10年で3.61%、設定来で9.32%です。

長期で右肩上がりに成長をしていることは明らかですが、期間によってリターンのばらつきが非常に大きいです。

資産運用の目的額に対して着地点が見えにくいというのが感覚的にわかるかと思います。

一方、S&P500のトータルリターンを見てみましょう。

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引用元:S&P500 Factsheetより
https://www.spglobal.com/spdji/en/indices/equity/sp-500/#overview

安定して13~14%台のリターンが出ていて、長期資産運用でもおおよその着地点がつかみやすいのではないでしょうか。

値振れが大きいがゆえに期間ごとで安定しないリターンとなってしまいます。

 

新興国だけの成長は考えにくい

2000年代から今日までのチャートを見てみましょう。

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赤線が新興国インデックスMSCI Emerging Markets Index、青線がS&P500 Indexです。

2000年代にはチャートのように新興国が強いときがあり、時代は新興国株式とまで言われていました。

新興国が単独で成長できた時代です。

2015年くらいを境に、S&P500とSMCI Emerging Markets Indexの値動きが同じような傾向にあるのがわかると思います。

世界が非常に近くなった現在では、良くも悪くも新興国経済は先進国経済に依存してしまっているという状況になっているのだと思います。

それ故、先進国が延びれば新興国も伸び、先進国が沈めば新興国も沈むといった関係になっているため、2000年代のような新興国だけの大きな成長は、今後、あまり期待できないのではと考えています。

また、新興国の成長の源は様々ですが、大元は人口増加だと思っています。

人口が増えれば、消費は当然増えるので経済は発展していきます。

しかし、アメリカのスゴイところは先進国でありながら、人口も増加しているという点です。

先進国株式と同じ傾向の値動き、アメリカは先進国でありながら人口は増加傾向、となれば、全米株式やアメリカ主体の先進国株式で良いのでは?と考えてしまうところです。

 

新興国株式の取り入れ方

とはいうものの、やはり新興国の可能性は取り入れておきたいし、幅広い国に分散投資したいと考える方も多いと思います。

そこで私は全世界株式インデックスファンドで新興国株式の可能性を取り込むのが良いのではと考えます。

新興国インデックスに投資をするよりインパクトは小さくなってしまいますが、確実に存在感を取り込むことができます。

前項でも述べたように、先進国も新興国も値動きの傾向が同じになっているので、リスク分散というよりは、「新興国の成長を取りこぼさないため」と考えるほうが適切かもしれません。

 

・まとめ

いかがでしたか?

私なりの目線で、新興国インデックスに投資をするくらいなら、全米株式や先進国株式に投資をしたほうが将来の見通しも立てやすいし、コストも抑えて運用できることを解説してみました。

加えて、新興国の成長を取りこぼさないためには全世界株式インデックスで取り込むのが良いと私見を述べさせていただきました。

様々な意見があると思いますので、新興国の投資としての取り扱いの一つの考え方として、皆様の選択の一助になれば幸甚です。

それでは失礼いたします。