目論見書の読み方を完全解説!! 〜ファンドの中身を知って自分で投資判断をしよう〜
中身を知らないで投資は絶対にダメ!!
目論見書をしっかり読もう!!
みなさんこんにちは。
今回は目論見書の読み方と着目点について紹介したいと思います。
実際に私が投資をしている「SBI全世界株式インデックスファンド」の目論見書に沿って解説してしていくので理解しやすいと思います。
目論見書を読むと、そのファンドがどのようなファンドであるか理解できます。
ネットで様々なファンドのオススメがされていますが、最後は自分で目論見書を読んで自分で投資の判断をしましょう。
目次
・目論見書とは
目論見書は別名を投資信託説明書といい、正確には交付目論見書と請求目論見書があります。
交付目論見書は請求目論見書の要約版で投資家が投資判断をするための情報がまとめられていて、投資前に必ず読む必要があります。
交付目論見書に記載されている主な内容は以下の通りです。
- ファンドの概要(目的、特色、運用方法等)
- 投資のリスク
- 過去の運用実績
- 手続き・手数料等
それでは、SBI全世界株式インデックスファンドの目論見書に沿って解説していきます。
・目論見書の内容(ファンドの概要)
どのような投資信託で、どこの国のどの銘柄に投資をするファンドなのかを記載しています。
ここでしっかり把握しておきたいのが以下です。
- どこの国のどのような銘柄に投資をしているのか
- インデックスファンドかアクティブファンドか
- 連動する指数(インデックス)は何か
- 決算と分配金について
SBI全世界株式インデックスファンドでは以下のように記載してあります。
引用元:SBIアセットマネジメント株式会社 SBI全世界株式ファンド交付目論見書より抜粋https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/connect/fund/8931217C00000013.pdf
「全世界の株式市場の動きを捉えることを目指して」
と記載してあるので全世界の株式に投資をすることがわかります。
また、「FTSEグローバルオールキャップインデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目指す」
と書かれており、ある指数に連動するファンドなので「インデックスファンド」で、そのベンチマークとなる指数は「FTSEグローバルオールキャップインデックス(円換算ベース)」ということがわかります。
ここで、「FTSEグローバルオールキャップインデックス」がどのような指数であるかを知る必要があります。
この指数の概要は以下の通りです。
- 先進国、新興国の全世界の大型、中型、小型株の約8,000銘柄に投資
- 構成比率は対象株式の時価総額の加重平均で算出されている
- 上位投資国はアメリカ(56.85%)、日本(7.25%)、中国(4.86%)、イギリス(4.03%)、カナダ(2.76%)、フランス(2.70%)等々
- 上位構成銘柄はアップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、グーグル、アリババ、テスラなど
- 構成銘柄は随時入れ替えられたり比率を変えていく
要は、この指数を採用しているファンドに投資をすると、時価総額に重きを置き、世界中の大型・中型・小型株の約8,000銘柄に投資ができるということです。
FTSEグローバルオールキャップインデックスについては別記事で詳しく解説していますので見てみてください。
決算は年1回で基準価額や市場動向を勘案して分配金をいくら出すかが決められます。
これでこのファンドの概要はつかむことができました。
・目論見書の内容(投資のリスク)
このファンドに投資をすることによるリスクを記載してあります。
投資の世界では「リスク」というのは基準価額の値動きのことを言います。価額の値動きの大きいファンドは「リスクの大きい商品」、逆に価額の値動きが小さいファンドは「リスクの小さいファンド」と呼びます。
一般生活で使われる「リスク」の意味合いと異なりますので注意してください。
SBI全世界株式インデックスファンドで考えられる基準価額変動要因は以下が挙げられています。
引用元:SBIアセットマネジメント株式会社 SBI全世界株式ファンド交付目論見書より抜粋https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/connect/fund/8931217C00000013.pdf
- 株価変動リスク
構成銘柄の株価に変動があった際に、このファンドの基準価額が変動する - 為替変動リスク
為替により基準価額が変動する
為替ヘッジがない場合はこのリスクを受けることになる - 信用リスク
構成銘柄の企業が倒産してしまい、基準価額が変動する - 流動性リスク
構成銘柄の企業に大きなイベントがあった際に発生する変動、例えば、構成銘柄の企業に不祥事があり、その企業の株が極端に売られてしまったりするような変動要因 - カントリーリスク
投資先の国の政治事情、経済事情等により基準価額が変動する
自分の投資するファンドがどのような要因で基準価額が変動するのかを知ることができます。
・目論見書の内容(運用実績)
運用実績を確認うえで重要なことは以下の点です。
- 基準価額の推移
- 純資産の推移
基準価額は1万口分の価額で1日1回算出されます。
基準価額が購入価額より高くなれば差額が利益となりますので、右肩上がりの傾向になっていることが重要です。大切なことは、1年、3年等の短期ではなく可能な限り長期での傾向を把握するということです。
基準価額が長期の傾向で下がっているファンドには絶対に投資をしてはいけません。
純資産の推移も同様です。純資産はファンドの規模で純資産総額が右肩上がりになっていれば資産が増え、効率よく運用でき、手数料が引き下げられる等、良いことがあります。逆に純資産総額が小さいと繰り上げ償還といって、ファンドが強制終了されてしまうことがあるので注意しましょう。
何れも大切なのは可能な限り長期でどのような動きをしているかです。
また、この二つの数字には
基準価額 = 純資産総額 ÷ 口数
という関係があります。
分配金は純資産総額の中から出されるので、分配金を出すとやがては基準価額も下がってしまうのです。
そのため、分配金を出さずに再投資することで基準価額を上げるファンドが多くなってきています。
ではSBI全世界株式インデックスファンドはどうでしょうか。
引用元:SBIアセットマネジメント株式会社 SBI全世界株式ファンド交付目論見書より抜粋https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/connect/fund/8931217C00000013.pdf
まだ、運用されてから日が浅いため長期の傾向とは言えませんが、基準価額、純資産総額ともに右肩上がりで大きくなり続けている傾向が見て取れると思います。
また、配当金も設定来出しておらず再投資に回していてファンドの基準価額の上昇を優先しているファンドであることがわかります。
このまま順調に基準価額が増え続けてくれるとよいですね!!
・目論見書の内容(手続き・手数料等)
ここでしっかり押さえたいのは手数料です。
手数料には以下のものが目論見書に記載されています。
- 購入時手数料:購入時に支払う手数料
- 信託財産留保額:投資信託を解約する際に支払う手数料
- 信託報酬:運用会社に運用中支払い続ける手数料
しかし、これらに加えて
隠れコスト
を支払う必要があります。
この隠れコストは目論見書には記載されておらず、運用報告書を確認する必要があります。
SBI全世界株式インデックスファンドの場合はどうでしょうか。
引用元:SBIアセットマネジメント株式会社 SBI全世界株式ファンド交付目論見書より抜粋https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/connect/fund/8931217C00000013.pdf
購入時手数料、信託財産留保額はともにかかりません。
信託報酬は年間0.1102%程度
隠れコストを含めた実質コストは年間0.155%でした(2019年の運用報告書より)。
また、SBI全世界株式インデックスファンドでは信託報酬をこれまでに既に何回か引き下げた実績があり、非常に好感が持てるファンドの方針だと思います。
この信託報酬は運用期間中支払い続けるコストになるので、安ければ安いほど良いです。
また、優良なファンドであるほど効率的な運用ができて、この信託報酬が低い傾向にあります。
「高い手数料を支払うからしっかりと運用してくれる」という一般的な感覚とは逆で、優良なファンドは信託報酬が低いと考えてください。
中には信託報酬が1%を超えるような「ぼったくりファンド」が非常にたくさんあるので注意しましょう。
私は投資をする際、この信託報酬と隠れコストを含めた実質コストを最も意識します。
私の基準では0.2%程度を上限にして投資を行うようにしています。
日本はこの信託報酬がまだまだ高いです。アメリカの優良ファンドでは0.1%を下回る超低コストファンドが沢山あります。日本も今後信託報酬が下がっていくとよいですね。
SBI全世界株式インデックスファンドは一つに投資をするだけで、低コストかつ幅広い分散投資ができるため初心者にはおすすめできる投資信託の一本だと思います。
・まとめ
目論見書で把握しておく主なポイントを下記にまとめました。
- どこの国のどのような銘柄に投資をしているのか
- インデックスファンドかアクティブファンドか
- 連動する指数(インデックス)は何か
- 決算と分配金について
- 投資するファンドの基準価額の変動要因(リスク)は何か
- 運用実績
- 手数料と実質コスト
これらに注目して目論見書を読んでいくようにしましょう。
いかがでしたか?
今回は交付目論見書の着目点と実際にSBI全世界株式インデックスファンドの目論見書の中身を紹介しました。
目論見書には難しい言葉が沢山出てきますが、一つ一つ粘り強く読み解きましょう。
どのファンドの目論見書も書いてある内容は同じなので、一度頑張って読み解くことができれば、それ以降はスムーズに読めるはずです。
実際に投資をしなくても目論見書を読むだけでも勉強になることが沢山あるので、時間を見つけて様々なファンドの目論見書を読んでみるのも面白いと思います。
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第2回目ではeMAXIS Slim先進国株式インデックスについて同様に目論見書に沿って解説しているので、こちらもぜひ見てみてください。
それでは失礼いたします。